20070709 |
長崎県立島原商業高等学校 民間講師招聘事業 2006.7.9.(月)8:55〜9:45 島原商業高校 講堂 第二学年 商業科・国際経済科 69名 |
「島原市の経済現状と企業経営」 |
自己紹介 |
石川俊男 (43歳) 島原15年、長崎3年、東京5年、大阪2年、で25才で島原へ戻り18年。 平成元年から、実家の「とみや呉服店」に戻り、平成3年の大火砕流から3年の噴火災害を経て、 平成7年(12年前)に、万町アーケードにて「しまばら水屋敷」を始める。かんざらし&招き猫&なしタコ(冬)。 平成6年一番街商店街青年部長。現在、万町商店街・青年部長、島原市商店街連盟・広報委員長。 商店街以外では、がんばスタンプ、島原商工会議所青年部、不知火まつり企画事業部会、他 旅好き 日本全国をバイクで一人旅 アメリカ大陸横断をバスで一人旅 硬式テニス 学生時代、関東学生テニス連盟理事など |
島ショップ&交通量調査&不知火まつりの御礼 10月14日(日)パレード「市民総参加」 |
☆島原市の経済現状☆ |
島原半島の人口 日本:1億2800万人 長崎県:1500万人 島原半島:15万5千人 (島原市:5万人 雲仙市:5万人 南島原市:5万5千人) → 2025年 島原半島:12万5千人 (統計情報研究開発センター推計) → 18年後:3万人(2割)減! 島原の商店街の現状 6商店街 204店(2006.4.1.) アーケード約90店 森岳商店街53店、万町商店街28店、中堀町商店街52店、 中堀町下通り商店街15店、湊道商店街22店、みなと商店街34店、 4年前220店 減少傾向(廃業増加) 理由:高齢化、跡継ぎ不足、郊外安売り店の影響 2006.6.長崎県商工金融課・消費者購買動向調査(3年ごと) 「地元の人がどれだけ地元の店で買い物をしているか?」(地元滞留率) 2006年 島原市:84.9% 雲仙市:58.7% 南島原市:70.3% 旧島原市 2000年:91.6% → 2003年:78.2% → 2006年:86.0% 旧有明町 2000年:43.8% → 2003年:33.7% → 2006年:27.9% 旧国見町 2000年:68.4% → 2003年:66.9% → 2006年:58.0% 旧南串山町 2000年:25.3% → 2003年:17.1% → 2006年:19.7% 旧深江町 2000年:49.5% → 2003年:46.4% → 2006年:26.3% 旧南有馬町 2000年:25.8% → 2003年:23.6% → 2006年:15.8% 旧西有家町 2000年:42.9% → 2003年:33.8% → 2006年:27.7% 旧有家町 2000年:65.8% → 2003年:74.9% → 2006年:67.1% *ジャスコ データ 長崎県:消費者購買実態調査 http://www.pref.nagasaki.jp/kinyu/shokin/chousa18/ 島原半島:まとめデータ http://diary.mizuyashiki.com/2007/07/0701data/ 総務省・統計局 人口推計 http://www.stat.go.jp/data/jinsui/ 島原半島:人口推計 http://town.mizuyashiki.com/hanto/kensiryo/01.htm |
郊外型超大型店問題 |
200607:「ゆめタウン(広島)」建設計画 ジャスコ有家店の3倍の大きさ(3万u) 200605:「まちづくり3法」改正(1万u以上の建物は郊外に造れない)200711施行 《コンパクトなまちづくり》 ・新たな公共整備事業の出費 ・歩いてまわれる生活地域(年配者への暮らしやすいまち) ・中心市街地の空洞化(ダイエー、エレナ撤退) 経済資源の流出 ・「売り場面積」を増やしても「売り上げ」も「従業員数」も減る(1996ピーク)。約50年は続く。 ・実例)3年で撤退 一年で300人の解雇 200707 建設計画の撤退 |
どうする? |
・大前提の再確認 「資本主義」の世界=大資本の勝ち→大資本がやりたくてもできないことをやる=専門店化 ・商店主の意識改革 → 戦後、右肩上がりの時代の意識がぬけない 「お客様の視点」ではなく「店主の都合」を優先しすぎる傾向 《具体策》 ◎一店逸品運動(縦の努力) → 各店なりに、店の個性をアピールする ◎スタンプ事業(横の連携) → 地域振興券まで育てたい → やる気のある店で「がんばスタンプ」を、2003年スタート(80店) → 大きな店も小さな店も、身の丈にあった販売促進の方法! → 現在「島原市商品券」の発行を勉強中 「マイナスを補うよりプラスを伸ばす」 |
☆企業経営☆ |
最低賃金 長崎:611円 東京:719円 福岡:652円 進学、就職、起業、するにせよ「経営者の視点」が必要。 *相手の立場で考える! 例)時給800円もらうためには、物販(荒利30%)の場合、3000円売らないと赤字 月給10万円もらうためには、物販(荒利30%)の場合、40万円売らないと赤字 実例)なしタコ 5個100円 一日1万円(荒利70%)→21万円/月 *荒利は業種別 まず第一は「データ」 *簿記&経理の知識は、事務系で即戦力! その後に「人間性」や「地域性」 客観的な正しい「現状認識」がないと、主観的な「意思決定」はできない。 *商店街の空き店舗でのフィールドワーク「島ショップ」で実体験してみてください。 研修期間は「がんばる」でもOKですが、 実際の現場では「がんばる」のは当然で、「結果」を出さなければならない。 (個人的には「がんばる」と言う言葉は好きではない。前を向いていればOK) |
☆まちの活性化☆ |
大前提:島原は人口は減るまち 1.土地が活性化する為には、「定住人口」が増えるのが一番 2.日本全体の人口が減る(2006年ピーク)のに、島原だけ増える可能性は低い 3.ぢゃあどうする? 4.「交流人口」を増やそう!(交流人口=観光、研究機関、など) 単純に言うと、年間365人島原に来れば、定住人口が1人増えたこと 年間365万人が来れば、定住人口が1万人増えたこと 水屋敷9万人=300人増やした。 |
島原半島の魅力 |
手つかずの自然も多く、たいへん意義のある歴史もある素晴らしいふるさとです。 まったく新しいものを作るより、今まであったものを生かして、経済活動をともなう状態にするのが自然。 例)森岳まちづくり 青い理髪舘、猪原金物店(速魚川)、ほか 全国でも有数の素材の宝庫! 例)手延べそうめん 全国二位の生産量 木蝋(もくろう) ハゼの木から採れる良質の植物性蝋 支石墓(ドルメン) 縄文時代のドルメンは世界有数 手打ち刃物、手づくり線香、 温泉(雲仙、小浜)、南蛮貿易の歴史、農産品、海産物、などなど 「島原らしさ」とは何か?を、住民一人一人が意識し、各々ができることから取り組んでいけば、 より良いふるさと島原になり、自然と「交流人口」は増加します。 |
島原の水について |
日本全国「水の都」といわれているところはたくさんあります。 しかし、まちなかにこれだけの湧水があふれているところは島原だけです。 何故?まちなかに湧き水が豊富か? 200年前の普賢岳噴火による地殻変動が原因 「島原大変肥後迷惑」 「自然の驚異」と「自然の恵み」という「自然の両面性」を感じられるふるさとです。 |
広報の重要性 (マスコミ&ネット) |
情報は発信しないと受けてもらえない。 芸能人 草野仁さん、中村孝明さん、周富徳・富輝さん、梅沢冨男さん、 松岡修造さん、大仁田厚さん、せんだみつおさん、月亭八方さん、オール阪神さん、桂小枝さん、 野々村真さん、梨花さん、キャイーンさん、関根つとむさん、坂下千里さん、 片平なぎささん、船越英一郎さん、萩原流行さん、ほか Yahoo、Mixi、携帯ネット、ほかでの情報発信→交流 |
☆島原の経済の将来像☆ |
「一店逸品」で、個店独自の自己努力 + 「がんばスタンプ」で、地元の店の連携 地元のお客様が一番大事ですが、地元のお客様「のみ」でいいのか? 交流人口を意識した経営戦略が必要 → 右肩上がりの時代を経験した年配者には難しい(知恵袋としては貴重) → 将来、若い企業家が増えることを希望 「量より質」の時代の到来(100円ショップの対極) 「情報発信」インターネットできないとダメ → 「広報」の重要性 |
まとめ |
地域経済は、複雑に見えて難しそうですが、 所詮、人間が動かすものですので、シンプルにわかりやすく変えていくことが大事になると思います。 既存の組織(システム)は、田舎ゆえのしがらみで?機能してないものが多い。 → 理想と現実のギャップ ぢゃあどうする? 「情報の共有化(ネット)」の考えで、意志のある人間の絆を広げていくしかない。 個人で責任(リスク)を背負って、動くほうが小回りがきいて楽。 「行動」のともなわない「議論」は「無意味」。 批判のみではなく、対案を出す議論(提案型)。 いろんな情報を、ちゃんと吟味(リテラシー)して、受け止める。 「鵜呑みにしない」ことが大事。自分の目で見て、自分の耳で聞いて、自分で判断する。 「げなげな話」を信じない。参考程度にとどめる。 バランスが大事ですので「のみ」の人にならないで。 「〜しなければいけない」という強迫観念ではなく、「〜したい」という能動態でいたい。 想定外のことが起きても、前向きに楽しみましょう! ふるさとをより良くしていきたいですネ。 「まちづくり」は「その土地に住む人の意思を映す鏡」です。 「過去と他人は変えられないけど、自分と未来は変えることが可能!」 |