20090706
長崎県立島原商業高等学校 民間講師招聘事業
2009.7.6.(月)11:55〜12:45 → 11:40〜12:25島原商業高校 講堂
第二学年 商業科・国際経済科 73名
 
「島原市の経済現状と企業経営」
講堂
 
校長室
 
自己紹介
石川俊男 (45歳)
 島原15年、長崎3年、東京5年、大阪2年、で25才で島原へ戻り20年。
 平成元年から、実家の「とみや呉服店」に戻り、平成3年の大火砕流から3年の噴火災害を経て、
 平成7年(12年前)に、万町アーケードにて「しまばら水屋敷」を始める。かんざらし&招き猫&なしタコ(冬)。
 平成6年一番街商店街青年部長。
 万町商店街・青年部長、島原市商店街連盟・広報委員長、がんばスタンプ理事、
 島原商工会議所青年部役員、不知火まつり企画事業部会、などを経験。

旅好き 日本全国をバイクで一人旅 アメリカ大陸横断をバスで一人旅
硬式テニス 学生時代、関東学生テニス連盟理事など
島ショップ&交通量調査&不知火まつりの御礼
10月18日(日)パレード「市民総参加」
☆島原市の経済現状☆
島原半島の人口 日本:1億2800万人 長崎県:1500万人
  島原半島:15万5千人 (島原市:5万人 雲仙市:5万人 南島原市:5万5千人)
   → 2025年 島原半島:12万5千人 (統計情報研究開発センター推計)
   → 18年後:3万人(2割)減!

 島原の商店街の現状  6商店街 200店 アーケード約90店
       森岳商店街50店、万町商店街30店、中堀町商店街50店、
       中堀町下通り商店街15店、湊道商店街20店、みなと商店街35店、

  5年前220店 減少傾向(廃業増加)
  理由:高齢化、跡継ぎ不足、郊外安売り店の影響


 2006.6.長崎県商工金融課・消費者購買動向調査(3年ごと)
 「地元の人がどれだけ地元の店で買い物をしているか?」(地元滞留率)

  2006年  島原市:84.9%  雲仙市:58.7%  南島原市:70.3% 

   旧島原市 2000年:91.6% → 2003年:78.2% → 2006年:86.0% 
   旧有明町 2000年:43.8% → 2003年:33.7% → 2006年:27.9% 
   旧国見町  2000年:68.4% → 2003年:66.9% → 2006年:58.0% 
   旧南串山町 2000年:25.3% → 2003年:17.1% → 2006年:19.7%
   旧深江町  2000年:49.5% → 2003年:46.4% → 2006年:26.3%
   旧南有馬町 2000年:25.8% → 2003年:23.6% → 2006年:15.8%
   旧西有家町 2000年:42.9% → 2003年:33.8% → 2006年:27.7%
   旧有家町  2000年:65.8% → 2003年:74.9% → 2006年:67.1%  *ジャスコ

 データ
  長崎県:消費者購買実態調査  http://www.pref.nagasaki.jp/kinyu/shokin/chousa18/
  島原半島:まとめデータ http://diary.mizuyashiki.com/2007/07/0701data/
  総務省・統計局 人口推計 http://www.stat.go.jp/data/jinsui/
  島原半島:人口推計 http://town.mizuyashiki.com/hanto/kensiryo/01.htm
どうする?
・大前提の再確認
 「資本主義」の世界=大資本の勝ち→大資本がやりたくてもできないことをやる=専門店化

・商店主の意識改革
  → 戦後、右肩上がりの時代の意識がぬけない 
     「お客様の視点」ではなく「店主の都合」を優先しすぎる傾向

 《具体策》
  ◎一店逸品運動(縦の努力)
    → 各店なりに、店の個性をアピールする

  ◎スタンプ事業(横の連携) → 地域振興券まで育てたい
    → やる気のある店で「がんばスタンプ」を、2003年スタート(80店)
    → 大きな店も小さな店も、身の丈にあった販売促進の方法!
    → 現在「島原市商品券」の発行を勉強中   「マイナスを補うよりプラスを伸ばす」
☆企業経営☆
 最低賃金 長崎:628円(9up)   東京:766円(27up) 福岡:675円(12up)

 進学、就職、起業、するにせよ「経営者の視点」が必要。 *相手の立場で考える!

   例)時給900円もらうためには、物販(荒利30%)の場合、3000円売らないと赤字
     月給12万円もらうためには、物販(荒利30%)の場合、40万円売らないと赤字

  実例)なしタコ 5個100円 一日1万円(荒利70%)→20万円/月  *荒利は業種別

 まず第一は「データ」  *簿記&経理の知識は、事務系で即戦力!

 その後に「人間性」や「地域性」

 客観的な正しい「現状認識」がないと、主観的な「意思決定」はできない。
  *商店街の空き店舗でのフィールドワーク「島ショップ」で実体験してみてください。

 研修期間は「がんばる」でもOKですが、
 実際の現場では「がんばる」のは当然で、「結果」を出さなければならない。 
  (個人的には「がんばる」と言う言葉は好きではない。前を向いていればOK)
☆まちの活性化☆
 大前提:島原は人口は減るまち

  1.土地が活性化する為には、「定住人口」が増えるのが一番
  2.日本全体の人口が減る(2006年ピーク)のに、島原だけ増える可能性は低い
  3.ぢゃあどうする?
  4.「交流人口」を増やそう!(交流人口=観光、研究機関、など)

  単純に言うと、年間365人島原に来れば、定住人口が1人増えたこと
           年間365万人が来れば、定住人口が1万人増えたこと

  水屋敷9万人=300人増やした。
島原半島の魅力
 手つかずの自然も多く、たいへん意義のある歴史もある素晴らしいふるさとです。

 まったく新しいものを作るより、今まであったものを生かして、経済活動をともなう状態にするのが自然。
    例)森岳まちづくり  青い理髪舘、猪原金物店(速魚川)、ほか

 全国でも有数の素材の宝庫!
    例)手延べそうめん 全国二位の生産量
      木蝋(もくろう) ハゼの木から採れる良質の植物性蝋 
      支石墓(ドルメン) 縄文時代のドルメンは世界有数
      手打ち刃物、手づくり線香、
      温泉(雲仙、小浜)、南蛮貿易の歴史、農産品、海産物、などなど

 「島原らしさ」とは何か?を、住民一人一人が意識し、各々ができることから取り組んでいけば、
 より良いふるさと島原になり、自然と「交流人口」は増加します。
島原の水について
 日本全国「水の都」といわれているところはたくさんあります。

 しかし、まちなかにこれだけの湧水があふれているところは島原だけです。

 何故?まちなかに湧き水が豊富か?

 200年前の普賢岳噴火による地殻変動が原因 「島原大変肥後迷惑」

 「自然の驚異」と「自然の恵み」という「自然の両面性」を感じられるふるさとです。
広報の重要性
(マスコミ&ネット)
 情報は発信しないと受けてもらえない。

 芸能人 草野仁さん、中村孝明さん、周富徳・富輝さん、梅沢冨男さん、武田鉄矢さん、
      松岡修造さん、大仁田厚さん、せんだみつおさん、月亭八方さん、オール阪神さん、桂小枝さん、
      野々村真さん、梨花さん、キャイーンさん、関根つとむさん、坂下千里さん、山田花子さん、
      片平なぎささん、船越英一郎さん、萩原流行さん、ほか

 Yahoo、Mixi、Gree、モバゲー、携帯ネット、ほかでの情報発信 → 交流
☆島原の経済の将来像☆
 「一店逸品」で、個店独自の自己努力 + 「がんばスタンプ」で、地元の店の連携

 地元のお客様が一番大事ですが、地元のお客様「のみ」でいいのか?

 交流人口を意識した経営戦略が必要
  → 右肩上がりの時代を経験した年配者には難しい(知恵袋としては貴重)
  → 将来、若い企業家が増えることを希望

 「量より質」の時代の到来(100円ショップの対極)

 「情報発信」インターネットできないとダメ → 「広報」の重要性
まとめ
 地域経済は、複雑に見えて難しそうですが、
 所詮、人間が動かすものですので、シンプルにわかりやすく変えていくことが大事になると思います。

 既存の組織(システム)は、田舎ゆえのしがらみで?機能してないものが多い。
  → 理想と現実のギャップ

 ぢゃあどうする?

 「情報の共有化(ネット)」の考えで、意志のある人間の絆を広げていくしかない。

 個人で責任(リスク)を背負って、動くほうが小回りがきいて楽。

 「行動」のともなわない「議論」は「無意味」。 

 批判のみではなく、対案を出す議論(提案型)。

 いろんな情報を、ちゃんと吟味(リテラシー)して、受け止める。
 「鵜呑みにしない」ことが大事。自分の目で見て、自分の耳で聞いて、自分で判断する。
 「げなげな話」を信じない。参考程度にとどめる。
 
 バランスが大事ですので「のみ」の人にならないで。

 「〜しなければいけない」という強迫観念ではなく、「〜したい」という能動態でいたい。

 想定外のことが起きても、前向きに楽しみましょう!

 ふるさとをより良くしていきたいですネ。
 「まちづくり」は「その土地に住む人の意思を映す鏡」です。

「過去と他人は変えられないけど、自分と未来は変えることが可能!」
依頼文

データ
長崎県:経済動向@親和銀行

水屋敷主人の日記